親の借地上に建物を再建築
本年4-6月期のGDPが公表され、いよいよ消費税増税が最終決定される時期が近づいてきました。消費税増税を想定して、マイホームの購入や建て替えなどに着手または検討中の消費者も少なくありません。当「借地権者の相談室」に訪れる方々にもそういった方々は多く、建物請負契約の最終期限である9月末までに相当の駆け込み需要が見られるような気がいたします。
さて、タイトルにありますように親の借地上に子供名義で建物を再建築したいという希望が少なくありません。その際に重要な書類として、「借地権の使用貸借に関する確認書」があります。親の借地権を子供が無償で使用すると、子供は親から借地権などを贈与されたことになってしまい、贈与税が課税されてしまいます。この書類はその贈与税を回避するために税務署への提出が義務付けられています。使用貸借とは親に地代を払うことなく、無償で使用するということです。この書類は、借地権を使用する子供と借地人である親と地主の3人が連名で署名捺印します。借地権者は親であり、子が借地権を無償で使用していることを地主に確認してもらうことも目的にしています。先日、当方を訪問された借地権者のケースでは地主が、子による借地権の使用貸借を認めず、親から子に借地権の名義変更を要望し、名義変更料と建替え承諾料を請求するというものでした。子が親の借地権を無償で使用すると言っても親と子が建物内で同居するわけであり、高齢者の親名義では住宅ローンを組めないという事情を斟酌して、子名義での建物建替えに配慮すべきであると思ったケースです。地主側の管理会社の認識不足、知識不足もあったと思います。なお、「借地権の使用貸借に関する確認書」は当サイトの「関係書類ダウンロードサービス」にて入手できますので、該当者の方はご確認されることをお勧めいたします。