旧耐震の借地権付マンションを売却し、有料老人ホームに入居

【時期】
平成29年12月
【分類】
借地権の売買
【場所】
東京都S区
【内容】
 相談者は80代の夫婦です。当方の提携先の会計士とともに住居(借地権付マンション)を訪問したのは本年の7月中旬でした。
 妻は数年前から認知症を患い、すでに寝たきりの生活をおくっていました。夫は認知症ではありませんが、会話をするのも困難な状態となっていました。お子様がいらっしゃらず、片付けができる人がいないためか、3LDKの各部屋は足の踏み場もないほど荷物が散乱し、今後の生活に不安を抱かせる状態でした。
 マンションのローンはすでに支払い済みですが、今後、有料老人ホームに入居するための費用を捻出したいとの希望があり、マンションの処分を希望されました。当方が面談した10日ほど後に、夫婦は東京近郊の有料老人ホームに転居いたしました。
 夫は2年前に実の弟と親戚の方の2名を任意後見人に指名していたことが判明しました。当方からマンションの査定書を依頼者の弟に郵送し、その後、それに基づいて親戚の方がビジネスパートナーの方を買い手として見つけてきました。
 借地権付建物を第三者に売却するためには、土地所有者の譲渡承諾が必要になります。当方から土地所有者(宗教法人)の管理者である弁護士に事情を説明し、口頭ベースでの譲渡承諾を得ました。その際、当該マンションには土地賃貸借契約書が存在していないことも判明いたしました。今後のことを考慮し、弁護士に土地賃貸借契約書の作成をお願いいたしました。
 その後、マンション内に存在している大量の残置物を搬出し、新たな買主との間で売買契約を締結する準備を進めました。まずはマンションの管理状態のチェックです。建物は昭和46年築と古いですが、定期的に大規模修繕工事や耐震工事を行っており、その上、修繕積立金が1億数千万円残るという良好な財政状態を示していました。自主管理でここまでしっかりとした運営を行っているマンションを初めて知りました。
 有料老人ホームに入居している依頼者を訪問してマンションの調査結果、売買にあたっての注意点、税務等を説明し、了解を得ました。そして11月上旬に売買契約を締結し、譲渡承諾料を土地所有者に支払い、12月上旬に売買決済という運びとなりました。今回は依頼者が後見人を指名していたおかげで、彼らの協力によってスムーズに売却を行うことができました。
 当方は今後、新所有者のリフォームに関するサポート(当方がリフォーム会社を紹介いたしました)をし、入居に至るまでのメンテナンスを行います。
 一般に借地権の譲渡においては、土地所有者から多額の承諾料を請求されるなど、トラブルになるケースは少なくありません。借地権は、経験のある専門の不動産会社に処理を依頼することをお勧めいたします。

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