借地上に5階建の建物があります。相続税は課税されるのでしょうか?

私の父は幹線道路に面した5階建ての借地権付き建物を所有しています。4階までは賃貸用で、5階に両親が居住しています。ある人から私の父が亡くなった場合には、相続税が発生するのではないかと言われましたが、私は借地権なので、相続税の心配は無用と思っています。相続税を支払うような事態になるのでしょうか?

相続税において所有権は課税対象で、借地権は非課税と云ったものではありません。
所有権の場合、敷地が面する道路に付された路線価に面積を掛けて評価額を算出しますが、借地権の場合、これに借地権割合を掛けて算出します。
路線価図にA~Eと付されていますが、それは借地権割合を意味しています。
その借地権の割合は商業性が高いところほど高くなり、所有権に対して70%ぐらいの評価となります。
したがって所有権で1億ぐらいの評価がなされるところでは、建物や他の資産を加え相続税の課税対象となる可能性もあります。

Q.のような場合、平成22年4月1日以降に相続が発生した場合は相続税が増税されることになります。
それ以前の相続であれば、敷地が240㎡以下であれば、敷地全体の評価額は80%減の評価の特例を受けることができました。
しかし、以降は建物の床面積を事業用(賃貸部分)と居住用にわけて計算し、事業用は50%の評価減(200㎡上限)、居住用は80%の評価減(上限240㎡)として計算されます。
また居住用部分に相続人が引き続き居住しない場合には、居住用の評価減の適用を受けられないという厳しい要件も付加されましたので、要注意です。

詳しくは国税庁のNo.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)でご確認をお願いいたします。

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