地主を説得して、底地と借地権を同時売却し、借地権者は住み替えに成功

【時期】
令和元年7月
【分類】
借地権の売買
【場所】
都内S区
【内容】
 当方が管理している土地の借地権者から、本年の年明けに連絡がありました。自宅が老朽化したために、住み替えを検討したいとのことです。隣接地も借地で、数年前に借地権者の親戚が亡くなり、地主の協力を得て借地と底地の同時売却をしていました。このときは地主が長男・長女のためのマンション取得資金捻出という目的があったため、底地の売却に同意をいたしました。しかし、特に目的がない場合には、地主は底地の売却をためらう可能性が高いです。借地権は地主の同意があれば単独で第三者に売却することは可能ですが、底地とともに所有権で売却する場合と比較して価格は安くなります。
 そこで、当方は地主に対して提案書を作成いたしました。1.借地権を買い取り、収益物件を建築 2.借地権を第三者に譲渡することを認め、承諾料を得る 3.底地と借地権の同時売却の3手法のメリット・デメリットをデータに基づいてシミュレーションいたしました。
 すると地主は、当該地は外国人が増加している地域でできれば将来に子供たちに相続をさせたくない、土地の値上がりがそろそろピークを迎えそうである等の理由から、底地の売却を選択されました。
 土地の面積は56坪で3階建が建てられ、さらに最寄り駅から徒歩4分と交通至便なロケーションにあるため、賃貸マンション・賃貸アパート・戸建て分譲業者など様々な会社にアプローチをかけました。賃貸住宅に関しては、スルガ銀行等の問題で融資が厳しく、価格が戸建て分譲業者よりも低くなることが判明しました。最後は戸建て分譲会社3社が候補として残りました。売買契約を締結すべく、価格の高い方から順番に話をつめていくと、なんと上位2社が、社長決済がおりないという事態が勃発しました。理由は外国人居住者が多い地域であることでした。3番手の会社と価格折衝を続け、2番手の会社と同条件にこぎつけ、本年3月末に売買契約を締結できました。
 売買契約締結後に土地の測量、境界確認を行いましたが、長年に亘って当方が関与しているため、隣接所有者の皆様からスムーズに書類への捺印をいただけました。
 借地権者から住み替えのためのマンション探しも依頼され、買付証明書を2物件に提出しましたが、タッチの差で買えないという事態に陥りました。
その後、借地権者はyahooの「おうちダイレクト」で見つけたマンションを気に入り、売買契約に至りました。
 そして昨日、無事に売買契約の決済を迎えることができました。借地権者はこれから引っ越し、建物の解体と作業は続き、当方も無事に更地になることを見届けます。
 借地権者から「当社に依頼して本当に良かった」と感謝のお言葉もいただきました。
 紆余曲折はありましたが、依頼主からお褒めの言葉をいただき、これまでの疲れが飛んで行きました。

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