接道の有無は公図で確認を

今から10数年前に、知り合いの不動産仲介会社から依頼を受けて、都内郊外にある借地を調査しました。駅からは徒歩20分と離れていましたが、閑静な場所にあり、公道(市道)に面した問題なさそうな不動産でした。持ち主は戸建て賃貸として活用しており、借家人に売却することを考えていました。役場調査を終え、公図を見るとなんと道路との間に筆があります。土地登記簿謄本を取得すると、土地の持ち主は底地の地主とは異なっており、同じ市内に住所がある昭和20年代から所有している人であることが判明しました。そしてさらに調査すると、当時の所有者に相続が発生しており、相続人が何十名も存在している可能性があることがわかりました。
当該借地上の建物は古く、借家人は購入後に建物を再建築することを希望していました。しかし、建物を再建築する場合には、道路に面している土地の所有者から承諾書を入手する必要があります。この借地の場合も役所の担当者からその指摘を受けました。購入予定者だった借家人は当該借地権の購入をあきらめ、他の中古戸建を購入したことを後から聞きました。
この借地も「不動産は一に道路、二に道路、三四がなくて五に道路」の事例となってしまいました。一見、道路に面していると思われる土地(借地)でも、実は面していないケースもあるのです。公図を確認することが不可欠です。

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