競売で取得した借地権付き建物は代金支払い後2ヶ月間が勝負

めっきり寒くなってきました。御茶ノ水界隈の木々もすっかり色づいてきました。
今回は、競売で取得した借地権に関して記述します。
一般的に競売で借地権を取得すると、代金落札後に土地所有者に挨拶に行き、土地の賃貸借契約に関する名義変更承諾等の詳細を協議することになります。
地主によっては、多額の承諾料を要求してきたり、従前よりも大幅な賃料値上げを求めてきたりすることがあります。
こんなときは、代金支払い後2ヶ月以内であれば、裁判所に申立を行い、地主の承諾に代わる許可を得ることができます。
借地借家法第20条に記載されています。
「第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更し、又は財産上の給付を命ずることができる。」
いわゆる借地非訟事件手続を行うわけです。
しかし代金支払い後2ヶ月を経過してしまった場合には、この申立を行うことができません。
最悪は地主に対して借地権を主張できなくなってしまいます。
従って、競売で借地権を取得した場合には、2ヶ月という期間を意識してスピーディーに地主と交渉しなければなりません。
最近は不動産業者以外の一般人が借地権付建物の競売物件に入札するケースが増えているようですが、上記した落とし穴を知らずに、大変な事態に陥ってしまう危険性があることを十分に認識すべきだと思います。

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